(出典:clarbo)
なぜこんなに有名なのか??
なぜこんなに高いのか??
ヴァイオリンのことをあまり知らない方でも一度は耳にしたことがあるであろうストラディバリウスという名器。
その理由とは一体何なのでしょうか?
目次
ストラディバリウスとは?
みなさんご存知の通り、世界最高峰とされているヴァイオリンの名器です。
テレビなどでも一度は見たことがあるのではないでしょうか??
ストラディバリウスという名前は、製作者であるアントニオ・ストラディバリが由来になっています。
1200挺ほど製作されており、現在でもその半分の600挺ほど残っているようです。
このヴァイオリンを数える単位は「ちょう」と読むのですが、オーケストラなどでのパートとしての数は「本」で数えます。
ちょっとややこしいですね。
作られた半分と聞くと一瞬少なく感じるかもしれませんが、ストラディバリウスが作られたのは17〜18世紀の間になるので、かなり残っている方だと思います。
ちなみにストラディバリウスという名前はストラディバリが製作した弦楽器のことを指しているので、ヴァイオリンだけではなく、他にもチェロやギターなどの弦楽器も存在します。
ストラディバリウスが有名な理由
ストラディバリウス以外にも有名なヴァイオリンはもちろんあります。
しかし、ヴァイオリンといえば一般的にストラディバリウスというイメージがどうしても強いと思います。
その理由としてまずおさえておきたい点は、ストラディバリウスが作られていた時代がヴァイオリンが世に広まった全盛期の時代だという点です。
この時代はヴァイオリンにとても需要があったため、沢山の作品を残すことができたのです。
ここからが重要なのですが、ヴァイオリンの需要が高いということは、もちろん他にもヴァイオリン製作者は沢山いました。
しかし、そのほとんどが質ではなく量を重視していたようです。
推測ですが、当時ヴァイオリンはまだ世に浸透したての新しい楽器である為、質が良い物、悪い物と言われても判断が難しく、質にこだわるよりもコストを抑えた物に需要があったのだと思います。
しかし!!
その時代に、量ではなく徹底的に質にこだわり作られていたヴァイオリンがストラディバリウスなのです。
加えて、当時のヴァイオリンは今とは違い、武道館のような大舞台で演奏するようなものではなかったので、音量に意識がむけられていたものが少ない中、ストラディバリウスは音量にも意識が払われていたようです。
偶然なのか、先を見越してのことなのかは分かりませんが、これが後世にも通用するタイプのヴァイオリンだったわけです。
以上のような理由からストラディバリウスは他のヴァイオリンと比べて知名度が高いのだと思われます。
ストラディバリウスが高い理由
テレビなどでストラディバリウスの値段を見ていると、数千万、数億というとんでもない値段のするものがほとんどです。
ストラディバリウスが有名な理由で説明した内容も高値の要因になるのですが、もちろんそれだけではありません。
ヴァイオリンの表板は、スプルースという木で作られています。
昔は良質のスプルースが沢山あったのですが、現在はかなり数が少なくなってしまったらしく、良質なスプルースで作られたヴァイオリンはとても貴重なのです。
そしてスプルースは、切られてから約330年後が最高の強度となるようです。
加えて十分に木材が乾燥されている状態にもあるため、現在のストラディバリウスは最高のヴァイオリンとなるわけです。
また非常に数も少ないものになるので、当然値段も高くなるというわけなのです。
最高値のストラディバリウスとは?
ただでさえ普通では手の届かない値段のするストラディバリウス。
歴代最高の値段がつけられた物は一体いくらなのか当然気になるところだと思います。
これは、2011年に日本音楽財団がオークションに出品したストラディバリウス。
およそ1600万ドル(約12億7000万円)で落札されたものが歴代最高値のもののようです。
ちなみにこの品は、東北地方を襲った地震と津波の被災者を支援するために出品されたものらしく、売却による収益金は東日本大震災支援基金に全額寄付されたようです。
最高値のストラディバリウスはこちらですが、歴代最高値のヴァイオリンはグァルネリの「ヴュータン」です。
その他グァルネリについても詳しく書かせてもらってるのでよければご覧ください。